A Greener World #12

私たちのシグネチャエールである A Greener World は、2023年6月に出荷を開始して以来、定番商品として継続的に仕込みを行ってきました。ホップの構成は少しずつ調整しながら理想のバランスを探ってきましたが、今回は麦芽を見直したので、その点をご紹介します。

当社のクラフトビールでは、これまで主にカナダ産 Rahr の麦芽を使用してきました。北米産の麦芽はイギリスやドイツ産のものに比べて個性が穏やかで、ホップの風味を損なわないため好んで採用しています。特に Hazy IPA では、甘みの下支えとして非常に相性が良いと感じています。

ところが、この3月にブルーハウス(仕込み設備)を更新し、ホットリカータンクを廃止してリカーバックをやめ、完全にスパージを通す方法に切り替えたことで、とくにペールエールでは麦芽の風味が強く出すぎるように感じるようになりました。北米産麦芽の選択肢としては Canada Malting Company(CMC)Great Western もありますが、Great Western を使用していると思われるクラフトビールを飲むとハスク感がやや気になるため、今回は CMC の麦芽を取り入れることにしました。国内商社から入手できる CMC の麦芽は 2-Row のみですが、色が淡いためピルスナーモルトとして使用しているブルワリーもあるようで、商社の価格表にも「PILSEN」として掲載されています。

今回の12バッチ目では、全体の約30%を CMC の 2-Row に置き換えました。その結果、Rahr 2-Row が持つ程よい甘みを残しつつ、よりすっきりとした仕上がりになったと考えています。

また、酵母は US-05 から LAX に切り替えました。これまで Chico 系酵母はどれも同じだと捉えていたのですが、実際には US-05 とは明確に異なるストレインであることが分かりました。Apparent Attenuation は想定通りでしたが、フレーバーの出方が違い、BRY-97 とも印象が異なります。US-05 に特徴的なアプリコットのようなフレーバーはかなり控えめになり、よりニュートラルな発酵特性を示していると感じます。

ABV: 4.5%
IBU: 20
Malt: Rahr 2-Row, CMC 2-Row,
Hops: Mosaic (Incognito), Amarillo (Cryo), Simcoe (LUPOMAX)
Yeast: LAX